今年の夏は暑すぎて死にそうだZE☆

なんだか酔っている。暑くて涼しいところで休憩しようと、相場はカフェだと思うが何故だか僕らは古ぼけた居酒屋に来てしまったようだ。夕方の早い時間からやっていて助かった。セミも鳴けないほどあまりにも暑すぎる外界から一転、冷房の効きすぎた店内とビールが少しシャーベット状になるほど冷えたグラスでさっきまでかいていた汗はすっかり引っ込んで少し湿ったTシャツだけがただ心地悪い。空きっ腹に酒、酔いが回るのにあまり時間はかからなかった。友人はすでに声が大きくなって威勢が良くなっていた。店内は僕らだけ、ニュース番組が流れている店内の端のテレビを見ながらもチラチラと店長らしき年寄りがこちらを見てくる。こんな早い時間に来て少ない注文量で酔っ払ってうるさく喋っているからだろう。まあ確かにそうだよな、申し訳ないという気持ちとこんな時くらい好きにさせてくれという気持ちが交錯する。結果居心地の悪さが勝ち友人にひと声出ようと言い店を出ることにした。ドアを開けると一気にムワッとした空気が押し寄せてくる。外はまだ時間に反して夜を感じさせるほどではなく、空の明るさはゆっくりと進んでいるようだった。そしてアスファルトの湿りを見る限り、通り雨があったんだろうということが分かった。降った雨がアスファルトの熱を吸い込み上がってくるあの匂いがする。夏の香り蚊取り線香と言った人がいるみたいだが、僕の中の夏の香りはこれだろうな、なんだか湿気てるよな、なんて思いながら少しだけおぼつかない足元を確認してもう少し飲もうか、と友人に問いかけた。夜の準備を少しずつ始める街に溶け込めるように僕らは少しだけ見栄を張って歩き出した。